本当にディスクロードを買いますか?ディスクロードのデメリットまとめ

最近ではディスクブレーキのロードバイクが主流になってきており、ハイグレードなリムブレーキのフレームは少なくなってきました。

ディスクロードの購入やリムブレーキからの買い替えを検討している人もいるでしょう。ただ、ディスクブレーキの方がほんとうに優位性があるのでしょうか?ここではディスクブレーキによるデメリット、面倒なことなど挙げていきます。

目次

ディスクブレーキで重量増

ディスクブレーキモデルの方がリムブレーキモデルより総重量は重くなります。ディスクとリムが両方出ているモデルで比較しても600~900gほど変わってきます。これは単純にブレーキの重さではなく、STIレバー、ホース(オイル)、ローターなど一つずつのパーツが重量増の一因です。

ホイールも重量が増します。これはブレーキングによるローター周辺のねじれに対して強度を上げるためにリム用ホイールよりスポーク本数が増える為です。他にもディスク用ホイールとリム用ホイールで同じリムを使用している場合が多い為です。リムブレーキはリム面を押さえつける為に強度が必要ですが、ディスクブレーキには必要ありません。その分、リム面強度を落とし軽くすることは可能ですが生産コストの観点から共通のリムが採用されています。

フレーム単体でみてもディスクロードは重くなります。ストッピングパワーに負けないフレーム強度が必要であることとスルーアクスルが重量増の原因です。

パッド、ローターの消耗が早い

最初に付属するパッドはオーガニック(レジン)と呼ばれる樹脂製のものが使われています。通常、レジンパッドで問題ありませんが、ハードな使用では耐久性がありません。

雨の日やブレーキを多用する山間部では金属製のメタルパッドに交換しましょう。レジンパッドでブレーキを連続使用するとフェード現象でブレーキ性能が低下しますがメタルパッドはフェード現象は起きにくくなります。反面、低温時は噛み付きが悪く音鳴りの原因になります。メタルパッドを使用するとローターも早く摩耗します。

ディスクロードのメリットとしてカーボンホイールが摩耗しない事ですが、その代わりローターはすぐに摩耗します。ディスクブレーキはリムブレーキの数倍早く、消耗部品を交換する必要があります。これまで以上に定期点検のサイクルを短くする必要があります。

フレームによっては擦れが生じる

昨今のディスクロードはフラットマウントと呼ばれる方式で、フレーム(フォーク)に直接ブレーキキャリパーを取り付けます。ほとんどのフレームでは問題になりませんが、場合によって擦れが取れないものがあります。

なぜそのようなことが起こるかというと、シマノは取付位置やフレームの形状など、推奨事項をメーカーに伝えています。しかし、必ずしもメーカーがこれらを守るわけではなく、設計上の問題や製品誤差によって生じます。フラットマウントの場合、ポストマウントよりも調整範囲が狭く、フレームメーカーの品質に左右されやすいのです。

ただし、大抵の場合はキャリパー取り付け面のフェーシングとキャリパー位置の調整で解決できることがほとんどです。フェーシングは効果的ですが、工具が高価で自宅整備には向きません。専門店で行うことをお勧めします。

新しいブレーキパッドは慣らしが必要

新しいブレーキパッドとローターは初めから最大のブレーキ性能を発揮するわけではありません。最初に慣らし運転をする必要があります。これはローター全体にパッド素材を接触させ摩擦を増やし、ローターとパッドの接触面積を最大化させる目的があります。

SRAMはその方法を公開しており、以下の通りです。

自転車を適度な速度まで加速し、歩行速度になるまでしっかりとブレーキをかける。このプロセスを20回繰り返します。次に、自転車をより速い速度まで加速し、歩行速度になるまでブレーキをかけます。このプロセスは10回繰り返します。これらの作業の間に完全に停止したり、車輪をロックしたりしないことが重要です。

この作業を行うことでブレーキのパフォーマンスが大幅に向上します。シマノや他のコンポーネントメーカーでは慣らし運転について公開されているものが見つかりませんでしたが、SRAM同様に慣らしをすることは必要です。

ホイール交換のたびに調整が必要

フレームと同様にホイールでもローターの取付位置は微妙に変わります。これらは規格として統一されてはいますが、製品誤差や塗装の厚み、ローターの締め付けトルクの違いによってズレが生じます。そのため、ホイールを複数所有している場合、交換の度にキャリパーの調整が必要となります。

メンテナンスに技術や工具が必要

リムブレーキであれば六角レンチ一つで作業できていたものがディスブレーキでは多くの工具が必要です。オイル交換には専用の工具と時間が必要です。リムブレーキよりも消耗品の交換頻度が多い為、メンテナンス頻度も高くなります。

なんといっても音鳴り!

リムブレーキでも音鳴りはすることはありますが、ディスクブレーキは簡単に音鳴りします。音鳴りの最大の原因はローターまたはパッドの汚れです。ディスクブレーキの場合、チェーンオイルの塗布にスプレー式を使用する場合、噴霧がかからないように注意が必要です。

ローターやパッドの洗浄は専用(オイルフリー)の洗浄剤がおすすめです。パーツクリーナー等の石油系洗浄剤は使用不可です。ただし、既にパッドにグリスやオイルが染み込んでいる場合は交換する必要があります。

購入金額やメンテナンス代が高い

部品点数が増え、構造も複雑になるディスクブレーキはリムブレーキより車体購入金額は高くなります。ブリーディングやフェーシングに使う工具も高額で、さらに作業に時間がかかるため、メンテナンス費用も高くなります。

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