ロードバイクの素材の種類は?特徴のまとめ

出典:BOTTECCHIA

ロードバイクのフレームには昨今人気なカーボンフレームはもちろんですが、今ではあまり使われないものも含めるといろいろあります。

目次

フレーム材質

アルミニウム

現在主流の素材の中で一番安価なフレーム材です。軽量で剛性も高く、錆びにくいため、クロモリフレームに変わって広く使われるようになりました。

価格を気にしなければカーボンの方が軽く、クロモリの方が耐久性がありますが、価格を考えるとコストパフォーマンスの良いフレーム材になります。

よく使われるのは6000系といわれる6061というアルミニウム合金です。価格が高くなるので使用している車種は少ないですが6069や6011などもあります。7000系に比べて強度は落ちますが、耐久性と加工のしやすさから広く使われています。

カーボン

CFRP(炭素繊維強化プラスチック)で作られたフレーム。軽量で剛性も高く、振動吸収性も高い。
昔はクロモリと同じようにカーボンでパイプを作りラグで接合して作っていました。最近ではコルナゴのC60がラグを使った製法で作られています。

今では継ぎ目のないカーボンモノコックが主流です。モノコックの場合、炭素繊維の種類や方向(炭素繊維は引っ張りに強く、剪断に弱い)によって剛性や耐久性が変わる為、フレーム形状だけでは剛性の高いレースモデルとコンフォートなロングライド向けか判断しにくくなりました。

技術力が必要な分、形状や剛性の強弱など設計の自由度は高い。耐久性も通常使用については高いが予期していない部分に負荷がかかると脆いため、ローラー台で使用する場合は注意が必要です。

クロモリ(スチール)

クロームモリブデン鋼といわれる合金で作られているもの。車に使われていたクロームモリブデン鋼を入手のしやすさから自転車のフレーム材として使い始めた。

クロモリは剛性が高く、粘りがあってしなやかな乗り味と言われる。ただし、鉄としては高価である為、海外のメーカーでは特性の近いマンガンモリブデン鋼を使うことが多い。

安価なスチールフレームはクロモリではなく、ハイテンスチールが使われている。強度はあるが重たい。

強度が高く、比較的安価な素材だがロードバイクの世界ではクロモリフレームはいわゆるブランド物が多く、高価なものが多い。

欠点は重さと錆びやすさ。

チタン

チタンは金属疲労に強く劣化しにくいため、丈夫で長持ちする「買ったら一生モノのフレーム」と言われていたこともありました。

クロモリより軽量な金属ですが加工が難しいため、高価になりがちで取り扱うメーカーはわずかです。

フレーム材としては3Al-2.5Vチタン(325チタン)と6Al-4Vチタン(64チタン)があり、325チタンの方がしなやかで乗り心地が良い分、ウィップしやすい。64チタンは325チタンに比べて剛性が高くきびきびとした走りをするものが多いが割れやすく耐久性が劣る。

ステンレス

ステンレスを使ったフレーム。基本的にはクロモリと同じフレーム形状の為、目視ではクロモリとステンレスの違いは判りずらい。

クロモリより引張強度が高く錆びにも強いが、加工が難しいため高価。

ラレーやチネリ、日本ではケルビムやミューラーなどが生産していたがフレーム材が手に入りにくいのか、人気がないのか生産してるメーカーは少ない。

スカンジウム

主にアルミニウムにスカンジウムを添加した合金。スカンジウムが含まれたアルミニウムは熱処理後に割れにくいという特性があり、7000系のアルミニウムに添加して割れにくくすることで軽くて高強度で加工しやすくなります。

スカンジウムは高価なレアメタルなので現在ではあまり使われているフレームはありません。

マグネシウム

人が実用できる金属の中で比重がアルミの3分の2ほどで、重量比あたりの強度もアルミより高い。
さらに実用金属の中で最大の振動吸収性があり、減衰効果によりフレームの寿命を長くする効果が得られる。

アルミニウムより良いフレーム材になるが、主原料として使用するにはまだ技術的に難しく現時点ではアルミニウムに添加する程度でしか使われていない。

振動吸収性が高く乗り心地が良いが、欠点としては酸化しやすく錆びやすい。

振動吸収性が高く丈夫でエコロジーなのが特徴。今流行りのSDGsでもある。

切り出してから防虫剤や安定剤で処理して完成までに3~6か月かかる。
自然のものなので精度良く作るのは容易ではなく割れたり、取り付けたパーツを締め付けても動いてしまうなど使用の難しさもある。

木製

自転車用のゴムタイヤができるまでは木製のリムが使われていた。フレーム素材としては振動吸収性が高く、入手も容易だが木材を曲げる作業は手作業になる為、高価になりがちで需要も少ない。

まとめ

ロードバイクに使われる素材にはいろいろあるが生産性と価格を考えるとアルミニウム、クロモリ、カーボンが主流となります。

アルミニウムの原料費が年々上がっているのとカーボンの加工のしやすさからカーボンとアルミの価格差は今後小さくなっていく可能性が高いです。

素材重量剛性耐久性価格
アルミニウムやや軽量普通~高い普通安い
クロモリ(スチール)普通~重い普通~高い高い安い~高い
カーボン軽量高い普通高い
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